記事の要点: 顔にできた茶色いシミがすべて同じ「肝斑」だと思われがちですが、実際は深さや種類の異なる色素が混在しているケースが多く見られます。 今回はレーザートーニングだけでは改善しにくかった複合的な色素に対し、オルポユプログラム(全10回)で段階的にアプローチした臨床例をご紹介します。
顔の茶色いシミ、すべて同じ色素だと思っていませんか?
「顔にある茶色いシミは全部肝斑ですか?」「レーザーを一度強く受ければキレイに消えませんか?」というご質問をよくいただきます。ですが、実際に皮膚を詳しく観察すると、表面に比較的くっきり現れている色素もあれば、もっと深い層に存在する色素、さらには扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)のように色素と似た見た目を持つ病変が混ざっていることも珍しくありません。
そのため色素治療において最初に大切なのは、「今、何を治療しようとしているのか」を見極めることだと考えています。同じ茶色い斑点に見えても、原因や深さが異なれば必要な治療法も変わってくるからです。
今回ご紹介するのは、複数の種類の色素が混在していた方に対して、オルポユプログラムを全10回実施し、複合的に治療を進めた実際の症例です。
治療前の肌はどんな状態だった?
治療前の写真を見ると、両頬から頬骨周辺にかけて大小さまざまな茶色い色素が広範囲に分布していました。特に一部は境界が比較的はっきりしていて色も濃く、その周囲には薄く広がったタイプの色素も同時に観察されました。
このような肌状態に対して、単純にトーニングレーザーだけを繰り返したり、逆に目に見える色素をすべて強い出力で除去しようとすると、期待するほど肌トーンが整わない可能性があります。色素の種類や深さによって、必要な治療アプローチが異なるためです。
今回の患者様についても、一つの機器を決めて10回同じ内容を繰り返す方法ではなく、毎回の肌状態と残っている病変を確認しながら必要な機器を選択する「オルポユプログラム」で治療を進めました。
複合的な色素にはどんな治療の流れで対応するの?
今回の治療は大きく分けて3つの方向からアプローチしました。まず目立つ扁平疣贅や肝斑タイプの色素には、アーユビウムレーザーとピコハイを活用しています。境界が比較的くっきりしている病変は、周囲の皮膚まで不要に刺激するのではなく、必要な病変だけを選択的に治療することが重要です。
また、皮膚の内側に残っている真皮性の色素に対しては、反復的なトーニングレーザーを適用しました。深い層の色素は、一度に強いエネルギーを当てるよりも、肌の反応を確認しながら回数を重ねてアプローチするほうが望ましいケースが多いためです。
さらに、ジェネシスと高周波ニードル機器のヴィーラ(Virtue)を併用し、色素だけでなく真皮環境や肌全体のコンディションまで一緒にケアしました。個々の状態に合わせて、その都度必要な治療を組み合わせていく方法です。
肝斑・扁平疣贅 → アーユビウム+ピコハイ
深く残る色素 → 反復的なトーニング
真皮コンディション → ジェネシス+ヴィーラ
なぜ10回プログラムのオルポユを勧めるの?
「どのレーザーを何回受けたか」よりも、10回の間に肌がどう変化し、その変化に合わせて次の治療をどう選んだかのほうが重要だと考えています。最初は目立つ肝斑の治療が必要でも、病変が落ち着いてきた後は、残っている真皮性の色素や肌トーン全体のケアがより重要になることがあるためです。
オルポユは、こうした肌の変化に合わせて毎回同じレーザーを機械的に繰り返すのではなく、その時点の肌に必要なレーザーを1対1で組み合わせていくプログラムです。
特に、一人の院長が最初から経過を継続して確認するため、前回の治療に肌がどう反応したかを踏まえて次の回の方向性を調整できる点もメリットだと感じています。
オルポユ10回後、肌はどう変化した?
治療前は頬骨や頬を中心に茶色い色素が幾重にも重なって見え、一部の病変は比較的濃く際立っていました。10回の治療後には、目立っていた濃い病変の色が薄くなり、頬全体に不規則に広がっていた色素も全体的に落ち着いた印象へと変化しています。
特に印象的だったのは、一つ二つの肝斑だけが除去されたのではなく、顔全体の色素の密度が下がり、肌トーンがより均一に見えるようになった変化でした。もちろん写真のとおり色素が完全になくなったとは言い切れません。色素は深さや種類、紫外線への曝露、肌質によって治療への反応に個人差があるためです。
それでも今回の患者様は遠方から通院されながら、予約した施術間隔をしっかり守ってくださり、その過程で肌の反応に合わせて治療を継続することができました。色素治療において継続性がいかに大切かを示す事例だと感じています。
色素治療で本当に大切なことは?
肝斑単体であれば、比較的シンプルに治療できるケースもあります。しかし実際の顔には肝斑だけが単独で存在するのではなく、シミや真皮性の色素、肌老化に伴う変化などが複合的に混ざっていることが多いのが実情です。
そのため、目に見える茶色い斑点をすべて同じ方法で治療するのは適切ではありません。正確に見分けること、それぞれの病変に合った機器を選ぶこと、治療後に変化する肌に合わせて次の治療を設計すること——この一連の流れこそが色素治療の核心だと考えています。
大邱ユー&アイでは、肌の状態と治療経過を確認しながら、その時々に必要な治療を一緒に見つけていきます。
よくある質問
顔の茶色いシミはすべて肝斑ですか?
いいえ、見た目が似ていても表面の色素、深い層の色素、扁平疣贅のような病変が混在している場合があります。正確な見極めが治療方針を決める第一歩になります。
オルポユプログラムはどんな流れで進みますか?
毎回の肌状態と残っている病変を確認しながら、その時点で必要な機器やレーザーを組み合わせて治療を進めるプログラムです。全10回を通じて、一人の院長が経過を継続して確認します。
10回治療すれば色素は完全になくなりますか?
色素の深さや種類、紫外線への曝露、肌質によって治療への反応には個人差があります。今回の症例でも色素密度が下がり肌トーンが整う変化は見られましたが、完全に消失するとは言い切れません。
治療の間隔はどのくらい空けるのが良いですか?
肌の反応や回復状況に応じて調整が必要なため、予約した施術間隔を継続して守ることが望ましいとされています。個人差があるため、担当医と相談しながら進めることをおすすめします。
深い色素にはどんな治療が向いていますか?
皮膚の内側に残る真皮性の色素は、一度に強いエネルギーを当てるより、反復的なトーニングレーザーで肌の反応を見ながら段階的にアプローチする方法が選ばれることがあります。